
ここでは、初めて行政書士試験にチャレンジする方向けに、試験概要・試験科目・合格点や合格率をご紹介しています。また、行政書士試験の難易度や、必要な勉強時間、合格後の行政書士の仕事や年収なども紹介していますので参考にして下さい。
勉強前に読みたい1冊
行政書士試験は「60点」で合格できる試験です。行政法・民法・憲法・商法・会社法・一般知識と試験範囲は広いですが、全てを完璧に覚える必要はありません。試験勉強を始める前に「どうすれば試験に合格するのか?」「効率的に勉強する為には何を勉強すればいいのか?」など、手当たり次第に勉強するのではなく、ある程度の目印を見つけて勉強することが効率よく合格する近道です。
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行政書士試験の試験概要
【2021年度の試験スケジュール】
試験の公示 | 令和3年7月5日 |
受験資格 | 年齢、学歴、国籍等に関係なく誰でも受験可 |
申込期間 | 郵送:令和3年7月26日〜8月27日 ネット申込み:令和3年7月26日〜8月24日 |
受験手数料 | 7,000円 |
試験日時 | 令和3年11月14日(日)午後1時~午後4時 |
合格発表 | 令和4年1月26日 |
行政書士試験の試験科目
行政書士試験の科目は大きく分けて以下の2種類に分かれます。
(1)「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題)
法令等には、①憲法・基礎法学②行政法(国家賠償法、地方自治法含む)③民法④商法・会社法があります。
(2)「行政書士の業務に関連する一般知識等」(出題数14題)
一般知識等には、①政治・経済・社会分野からの出題②情報通信・個人情報保護の分野からの出題③文章理解があります。
試験科目別の出題数は以下の通りです。
(※科目別の出題数は目安です。試験年度により多少の増減がある可能性はありますが、過去の試験問題から見て大幅な増減はないと思います。)
【科目別の出題数一覧】
試験科目 | 択一式 | 選択式 | 記述式 |
憲法・基礎法学 | 7問 | 1問 | 無 |
行政法 | 19問 | 2問 | 1問 |
民法 | 9問 | 無 | 2問 |
商法・会社法 | 5問 | 無 | 無 |
一般知識 | 14問 | 無 | 無 |
【択一式】5つの選択肢から選ぶタイプの問題です。1問4点
【選択式】20程度のワードが書いてあり、その中から正解だと思うワードを選ぶタイプの問題です。1問8点
【記述式】問題の質問に対して、40文字程度の文章を書いて答えるタイプの問題です。1問20点
(重要なキーワードを答えに書けていれば、部分点がもらえます。)
行政書士試験の合格点と合格率
【合格点】
行政書士試験は300点満点の試験で、180点をとれば合格です。
上記(1)の法令等の合計が244点(2)の一般知識等の合計が56点、足して300点の試験です。
一般知識等に足切り点が設定されており、「24点」をとらなければ、合計点が「180点」を超えていても不合格になります。
(1問4点なので、一般知識等14問のうち、「6問以上」正解すればOK)
【合格率】
行政書士試験の合格率は試験年度によって変動しますが、令和2年度の合格率は「10.7%」、令和元年度は「11.5%」、平成30年度は「12.7%」でした。
行政書士試験の難易度
行政書士試験の難易度は人によるので一概には言えませんが、私の経験や一般的に言われている難易度も併せてご紹介します。(ちなみに私は宅建・管理業務主任者・行政書士を取得しています)
①行政書士試験は、宅建や管理業務主任者の試験よりは「結構難しい」
※実際に私は宅建の後に行政書士試験を受けましたが、行政書士試験は覚える法律の範囲が広く難しく感じました。
②行政書士試験は、社会保険労務士試験と「同程度」か、社会保険労務士試験が「少しだけ難しい」
③行政書士試験は、司法書士試験に比べると「かなり簡単」
※行政書士試験の後すぐに司法書士の過去問やテキストを見ましたが、かなり難しく司法書士の受験はあきらめました。
行政書士試験の勉強時間
「難易度」の目安になる合格に必要な勉強時間ですが、①独学or通学②憲法・民法などの法律知識があるorないなど、人によって変動しますが、こちらも私の経験+一般的な情報からご紹介します。
(ちなみに私は、①通学+②法律知識少しありから勉強を始めました)
独学(法律知識なし) | 800~1000時間 |
独学(法律知識多少あり) | 600~700時間 |
通学(法律知識なし) | 600~700時間 |
通学(法律知識多少あり) | 500時間程度 |
この勉強時間の目安は、200点以上のラクラク合格を基準にしており、180点のギリギリ合格ラインなら100~200時間減らした勉強時間でも合格の可能性はあると思っています。
独学で合格を目指す!
行政書士試験は「独学でも合格が可能」な試験です。しかし、「法律知識ほとんど無しの独学」は「かなり難しい」と思います。
法律知識とは、憲法・民法・商法・会社法のことで、大学の法学部出身者の方などはある程度勉強しています。また、宅建受験者の方は民法の初歩は勉強しています。(行政法はどなたもあまり勉強する機会は無かったと思います)
独学で合格を目指すなら、テキスト選びが最重要課題になります。
1冊にまとめた市販のテキストだけでの合格は難しいと思います。
(私も資格の学校に通学する前に市販のテキストを1冊買いましたが、行政書士試験の内容をしっかり理解するのには無理があると感じました)
「まとめテキスト」と併せて、各科目別のテキストも使って勉強することをお勧めします。
通学で合格を目指す!
資格の学校に通って合格を目指します。私はLECに通って勉強をしました。
(私は3月から受講しましたが、12月ごろから受講が可能です。)
費用は20万弱かかりますが、テキストも分かり易く、学校での講師の授業の他に、ネット上でいつでも授業内容を見れるので、法律知識があまり無い初学の方にはお勧めです。
通学のメリットは、①分からない内容を講師に質問できる②自分の他の受験者がいるです。
独学はテキストの購入代だけの出費で費用面のメリットはありますが、どうしても勉強の進み具合やモチベーションの維持などでの難しさがあります。
月並みですが、学校に通い同じように勉強している人と話をしたりすることで、勉強する気がでたりしました。
行政書士試験の予想模試
ある程度勉強が進んだら、「予想模試」に挑戦することをお勧めします。模試を受けることで①勉強の進み具合②自分の弱点が分かります。
模試を受けると、各科目のどこの箇所が理解できていて、反対にどこの箇所が理解できていないか発見できます。理解していない範囲を再度勉強することで合格に近づきます。
模試には以下の2種類があります。
①市販の「模試の本」を買って、自宅で受ける
2,000円弱で買え、試験形式の模試3回分が載っています。
メリットは、②の模試と違い、好きな時に実力を試せます(勉強が早く進んだ人は、②の模試まで待つ必要がありません。)
②各資格の学校が開催する「公開模試」を受ける
TAC・LEC・伊藤塾・資格の大原などが実施する模試で、1回2,000~3,000円程度です。(各学校に通学していなくても、模試だけの受講ができます。)
公開模試のメリットは、実際の行政書士試験の雰囲気が体験できます。どの学校も、9月・10月に模試を開催しています。
自宅で受けれる模試の本
試験前に自宅で実力を試せる模試の本のご紹介です。試験前の最終確認にお使いください。
行政書士の仕事について
行政書士の仕事は、「他人の依頼を受け報酬を得て、役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成等」です。
具体的には、以下のような仕事があります。
- 外国人のビザ申請業務
- 営業の許認可業務
- 会社設立手続き(登記申請は除く)
- 遺言・相続手続き
- 車庫証明手続き
- 成年後見
- 土地利用時の許可業務
- 知的財産関係
行政書士が行える仕事は幅広く、1万種類以上あると言われています。業務の幅が広い為、専門の分野を決めて事務所を運営する行政書士がほとんどです。
また、業務分野ごとの需要に差がある為、1件当たりの単価や行政書士の年収にも差があるのが特徴です。
まとめ
行政書士試験について、私の経験も踏まえて詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
行政書士の資格があれば独立開業も可能です。また、開業しなくても、社内アピールや転職にも少なからず役立つはずです。ぜひ資格取得にチャレンジしてください。